希少がんといわれる、『耳下腺癌(じかせんがん)』になりました。
がん患者のうちたった0.1~0.2%しかいない、稀ながんです。
耳下腺がんは、頭頸部がん(とうけいぶがん)の1つで ※1
色々ある頭頸部がんの中では唾液腺がんの1つです。 ※2
※1 頭頸部がん: さ骨より上部の首と頭のうち、脳と目を除く部分にあるがん
※2 唾液腺がん: 唾液を出す機能がある耳下腺、舌下(ぜっか)腺、顎下(がっか)腺にできるがん
有名人でたまに罹患されているのを聞くのは、喉、咽頭、舌にできるがんですね。これも同じ頭頸部がんです。
その1つに唾液腺がんがあり、唾液を出す機能がある耳下腺、顎下腺、舌下腺にできるがんを指します。
●耳下腺?じかせんって何?どこ?
耳下腺は耳たぶあたりから下あたりにあり、唾液を出す役割がある器官です。
おたふく風邪を引いた時に腫れる場所です。
この耳下腺の中には顔面神経が通っていて、耳下腺を通って枝分かれした神経は、おでこ、目、鼻、口などの顔のパーツにつながっています。
※日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のサイト:「耳下腺がん」とは?
Niyonの場合、この耳下腺に結果的に3.5cmほどの腫瘍が見つかり、悪性でした。
これが耳下腺を通る顔面神経にまとわりついていて、これを神経浸潤(しんじゅん)といいます。
悪性の場合、神経浸潤していることが多いそう。(良性の場合は神経にあまりまとわりついていないらしい)
腫瘍が悪性だと判明したため、悪性腫瘍をしっかりとりきることを優先し、やむなく顔面神経は切断されました。
そんな耳下腺がん、私の場合はほとんど自覚症状がなかったのですが、どのように発覚したのか記録しておきます。
レアケースかもしれませんが。
●耳下腺がんの前兆?旅の出発
2020年4月上旬、新型コロナが流行し始めたこのころ。
私はたびたび起こる原因不明のめまいに悩んでいました。
ちょっと酔ったような、頭がふわふわする感じ。
これは数か月前にもあって、耳鼻咽喉科を受診したけど何かわからずじまいでした。
ビタミン剤とか血流をよくする薬とか出してもらったけど改善せず。
その後、たまにめまいがひどい時は過呼吸になり、過呼吸の時は手足がしびれる症状が出たりもしました。
30分くらいでおさまるのですが。
まさかコロナではないだろうけど、気になるからもう1回行っとくか。
コロナ禍に医療機関に行くのは気が進まなかったけど、近所の耳鼻咽喉科でもう1度診てもらうことにしました。
扁桃腺が元々大きく、風邪をひくといつものどや鼻にまず来るniyon。
そんなわけで、かかりつけの医者感覚で行きました。
多分また原因不明だと言われそうだなぁと思いつつ。
いつも待ち時間が長く、人気の近所の耳鼻咽喉科ですが
コロナ流行のせいか、待合室にいるのは私1人でした。ラッキー?
あまり待たずに呼ばれ、先生に前回と同じ症状を伝えました。
耳の状態も聴力も問題なく、やっぱり先生は???という反応。
念のため、めまい止めの薬を出すので様子見て、とのこと。
この前ももらったけど効かなかったのよねぇ。
「あの、めまいって脳とか関係ないですか?脳の検査とか今まで受けたことがないので、病院を紹介してもらって念のため検査を受けれませんか?」と食い下がってみました。
うーん、脳は今回は関係なさそうだけどねぇ、と先生。だめか。
ただ、ここで先生がちょっと気にしていたのは、「う」の口をした時に上下の唇に左右差が出ていること。
数ヵ月前に同じめまいで診察を受けた時にも首を傾げられていた症状でした。
「う」の口をした時に上下の唇がちょっとずれているのです。歪んでいるというか。
「これは前から?」と先生に聞かれて、7~8年くらい前から気になっていたことなので「けっこう前からです」と前回答えていました。その時は先生も「そうか」という感じでじゃあ生まれつきのものかな、という反応でした。
でも7~8年前から口角を上げて笑顔を作る時も左右差が出ることがよくあり、自分でもそれが嫌で写真を撮る時はおもいっきり笑顔にはならないようにあえてしていました。
15~16年前の写真では左右差はないし、これも治らないかなぁ?と思い、とっさに
「でももう少し前は唇や口角に左右差はなかったです。私もずっと気にはなっていて、こうなってから写真撮られるのが嫌で」
診察の最後には、まあでも少し様子を見よう、といわれました。
診察を終えて待合室に戻りお会計を待っていましたが、受付の看護師さんに再度呼ばれます。
先生が検査ができる大きな病院を紹介することにした、とのこと。
明日行けます?と聞かれ、はい!ぜひ!とお願いし、予約まで取っていただき、紹介状をいただきました。
これが運命の分かれ道でした。
この紹介状がなかったら、たぶん癌を発見することはなかったと思います。
もしくは、もっともっと症状がでたり、色々なところに転移した後の発見になっていたかもしれません。
これが、39歳の誕生日を迎える直前でした。
この近所の耳鼻咽喉科の先生には、今も大変感謝しています。
50代くらいの優しいおじちゃん先生です。
紹介してもらった大きな病院の主治医も「この先生、よく見つけて下さったね!」とおっしゃっていました。
結局、めまいは「運動不足です」とこの主治医に言われ(トホホ…)全く関係ない症状なのでした。
私のわずかな表情(左右差)を見ての、おじちゃん先生の判断でした。
友人や夫も気付いていなかったくらいの口の動き(左右差)でしたし、自分では気になっていましたが人に言ったこともありませんでした。
それ以外の症状は何もなかったです。
しこりも痛みも何もないのに、観察眼が素晴らしい先生というのはいるんですね、本当に。
この先生に出会えて、私は幸運でした。
あと、私の「大きな病院を紹介して!」というアグレッシブなお願いも効いたと勝手に思ってます(笑)。
人間の第六感というものは大事にしなくては。
体の気になることは、お願いしてでもとことん調べてもらった方がいいです、ホント。
※耳下腺腫瘍も80%は良性らしいので、何もなかったらそれはそれで安心。
耳のあたりにしこり、痛み、唾液の味が変、顔の片方だけ動きが変、などなど、ん?と思うくらいでも、放置せず念のため診てもらった方が良いです。

読んでいただき感謝。皆様の1票が励みです
がん患者のうちたった0.1~0.2%しかいない、稀ながんです。
耳下腺がんは、頭頸部がん(とうけいぶがん)の1つで ※1
色々ある頭頸部がんの中では唾液腺がんの1つです。 ※2
※1 頭頸部がん: さ骨より上部の首と頭のうち、脳と目を除く部分にあるがん
※2 唾液腺がん: 唾液を出す機能がある耳下腺、舌下(ぜっか)腺、顎下(がっか)腺にできるがん
有名人でたまに罹患されているのを聞くのは、喉、咽頭、舌にできるがんですね。これも同じ頭頸部がんです。
その1つに唾液腺がんがあり、唾液を出す機能がある耳下腺、顎下腺、舌下腺にできるがんを指します。
●耳下腺?じかせんって何?どこ?
耳下腺は耳たぶあたりから下あたりにあり、唾液を出す役割がある器官です。
おたふく風邪を引いた時に腫れる場所です。
この耳下腺の中には顔面神経が通っていて、耳下腺を通って枝分かれした神経は、おでこ、目、鼻、口などの顔のパーツにつながっています。
※日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のサイト:「耳下腺がん」とは?
Niyonの場合、この耳下腺に結果的に3.5cmほどの腫瘍が見つかり、悪性でした。
これが耳下腺を通る顔面神経にまとわりついていて、これを神経浸潤(しんじゅん)といいます。
悪性の場合、神経浸潤していることが多いそう。(良性の場合は神経にあまりまとわりついていないらしい)
腫瘍が悪性だと判明したため、悪性腫瘍をしっかりとりきることを優先し、やむなく顔面神経は切断されました。
そんな耳下腺がん、私の場合はほとんど自覚症状がなかったのですが、どのように発覚したのか記録しておきます。
レアケースかもしれませんが。
●耳下腺がんの前兆?旅の出発
2020年4月上旬、新型コロナが流行し始めたこのころ。
私はたびたび起こる原因不明のめまいに悩んでいました。
ちょっと酔ったような、頭がふわふわする感じ。
これは数か月前にもあって、耳鼻咽喉科を受診したけど何かわからずじまいでした。
ビタミン剤とか血流をよくする薬とか出してもらったけど改善せず。
その後、たまにめまいがひどい時は過呼吸になり、過呼吸の時は手足がしびれる症状が出たりもしました。
30分くらいでおさまるのですが。
まさかコロナではないだろうけど、気になるからもう1回行っとくか。
コロナ禍に医療機関に行くのは気が進まなかったけど、近所の耳鼻咽喉科でもう1度診てもらうことにしました。
扁桃腺が元々大きく、風邪をひくといつものどや鼻にまず来るniyon。
そんなわけで、かかりつけの医者感覚で行きました。
多分また原因不明だと言われそうだなぁと思いつつ。
いつも待ち時間が長く、人気の近所の耳鼻咽喉科ですが
コロナ流行のせいか、待合室にいるのは私1人でした。ラッキー?
あまり待たずに呼ばれ、先生に前回と同じ症状を伝えました。
耳の状態も聴力も問題なく、やっぱり先生は???という反応。
念のため、めまい止めの薬を出すので様子見て、とのこと。
この前ももらったけど効かなかったのよねぇ。
「あの、めまいって脳とか関係ないですか?脳の検査とか今まで受けたことがないので、病院を紹介してもらって念のため検査を受けれませんか?」と食い下がってみました。
うーん、脳は今回は関係なさそうだけどねぇ、と先生。だめか。
ただ、ここで先生がちょっと気にしていたのは、「う」の口をした時に上下の唇に左右差が出ていること。
数ヵ月前に同じめまいで診察を受けた時にも首を傾げられていた症状でした。
「う」の口をした時に上下の唇がちょっとずれているのです。歪んでいるというか。
「これは前から?」と先生に聞かれて、7~8年くらい前から気になっていたことなので「けっこう前からです」と前回答えていました。その時は先生も「そうか」という感じでじゃあ生まれつきのものかな、という反応でした。
でも7~8年前から口角を上げて笑顔を作る時も左右差が出ることがよくあり、自分でもそれが嫌で写真を撮る時はおもいっきり笑顔にはならないようにあえてしていました。
15~16年前の写真では左右差はないし、これも治らないかなぁ?と思い、とっさに
「でももう少し前は唇や口角に左右差はなかったです。私もずっと気にはなっていて、こうなってから写真撮られるのが嫌で」
診察の最後には、まあでも少し様子を見よう、といわれました。
診察を終えて待合室に戻りお会計を待っていましたが、受付の看護師さんに再度呼ばれます。
先生が検査ができる大きな病院を紹介することにした、とのこと。
明日行けます?と聞かれ、はい!ぜひ!とお願いし、予約まで取っていただき、紹介状をいただきました。
これが運命の分かれ道でした。
この紹介状がなかったら、たぶん癌を発見することはなかったと思います。
もしくは、もっともっと症状がでたり、色々なところに転移した後の発見になっていたかもしれません。
これが、39歳の誕生日を迎える直前でした。
この近所の耳鼻咽喉科の先生には、今も大変感謝しています。
50代くらいの優しいおじちゃん先生です。
紹介してもらった大きな病院の主治医も「この先生、よく見つけて下さったね!」とおっしゃっていました。
結局、めまいは「運動不足です」とこの主治医に言われ(トホホ…)全く関係ない症状なのでした。
私のわずかな表情(左右差)を見ての、おじちゃん先生の判断でした。
友人や夫も気付いていなかったくらいの口の動き(左右差)でしたし、自分では気になっていましたが人に言ったこともありませんでした。
それ以外の症状は何もなかったです。
しこりも痛みも何もないのに、観察眼が素晴らしい先生というのはいるんですね、本当に。
この先生に出会えて、私は幸運でした。
あと、私の「大きな病院を紹介して!」というアグレッシブなお願いも効いたと勝手に思ってます(笑)。
人間の第六感というものは大事にしなくては。
体の気になることは、お願いしてでもとことん調べてもらった方がいいです、ホント。
※耳下腺腫瘍も80%は良性らしいので、何もなかったらそれはそれで安心。
耳のあたりにしこり、痛み、唾液の味が変、顔の片方だけ動きが変、などなど、ん?と思うくらいでも、放置せず念のため診てもらった方が良いです。


