待ちに待ったセカンドオピニオン外来の日が来ました。
夫はどうしても休みが取れないというので、父親と妹に同行してもらいました。話せる時間は限られており、自分が思いつく以外の質問もできたらいいなと考えていたので、複数人でお話を伺いたかったのです。
料金は30分約1万円。30分を超えると30分ごとにさらに1万円足され、健康保険適用外です。

早めにF病院に到着し、ドキドキしながら3人で呼ばれるのを待ちました。
呼ばれて通されたのは、診察室ではなく病院の小さな会議室のようなお部屋でした。
相談内容は事前に用紙に書いて渡していたのですが、大まかにこんな感じ。
・手術で摘出した癌が摘出部分の端にありかつリンパ2カ所に転移が見られたことから放射線追加治療を勧められているが、X線照射によるQOL(Quality Of Life、生活の質)低下がとても心配
・代わりに陽子線治療は有用か?適用するか?
・その場合の副作用や後遺症はどのようなものが考えられるか?中耳炎?味覚低下?口が開きにくくなる?
・また陽子線治療をするとなると耳下腺周辺とリンパ節あたりにも当てないといけないと思うが、計算上は1か所になるのか2カ所になるのか?300万円ほどで済むのか、2カ所となり600万円ほどになるのか?
話をしてくださったH先生は、グレーヘアの優しそうな紳士という感じの先生でした。
この先生から開口一番出た言葉がこれでした。
「まず陽子線の効果ですが、X線と同等と考えてもらって構いません。ただし。
放射線治療自体、今回のniyonさんのがんに対して有効かどうかは不明です」
え!?
有効かどうか不明!?
驚きのセカンドオピニオンの幕開けでした。
てっきり放射線治療自体はすすめられるものだと思っていたので...。
先生の話は以下の通りでした。
・低悪性粘表皮癌ということと年齢(まだ若い)を考えると、このまま様子を見るのも手
・放射線治療をすると後々の副作用・後遺症が出る可能性、肉腫や新たながんの発生などのリスクもある
・低悪性なので、すぐにどうこう(再発)ということはないと考えられる
・ただし再発した時は再手術となり、次は耳下腺全摘出となり(niyonは今回全摘ではない)、顔面神経も取ることになる
・今回の転移は耳下腺内のリンパ節のみなので、遠いところに転移する可能性は低い、ただ肺などは血液経由で転移するのでわからない
・もし陽子線を受ける場合は、唾液腺がんは保険が適用できる、耳下腺とリンパ一緒にあてていくので1カ所計算
・選択肢は以下3つ
①残っているかもしれないがん細胞を再手術して徹底的に取り除き、根治を目指す
②放射線治療をする、ただし効果があるかどうかはわかっていない
③このまま何もせず、一旦様子を見る
・まとめ
カンファレンスで他の医師とも話し合ったが、低悪性粘表皮癌で術後に放射線照射をするのはまれ。通常は手術で腫瘍がコロンときれいに取れる。神経浸潤しないことがほとんど。
ただ今回は神経にもまとわりついていて取りきれたとははっきり言えないので、主治医も追加治療を勧めているのではないかと思う。確かに癌に対して、そうするのは基本の方針。
手術を執刀されたa先生はきっちり手術も処理される方なので(手術してくれた先生をよくご存じの様子!)ちゃんと腫瘍を取られたとは思う。私は実際に手術をしたわけではないので感覚的なことはわからない。手術の時に感じた感覚的なものにより放射線をすすめられているのかも。
もちろん希望であればうち(F病院)で陽子線治療は可能。その際は放射線科へ話を通しますよ。
ただ正直、、、あなたの年齢と放射線の後に出てくる副作用を考えると...陽子線であっても放射線するのが良いかどうかは難しいところ、と言われました。
この意味がよくわからず尋ねると、こんな回答でした。
例えば人生90年として、70歳の人が放射線治療をやったとしても残り20年の間に放射線が原因で肉腫や別の場所に新しいがんができる可能性は低い。でも例えば40歳の人が放射線治療をやって、そのあとの人生は50年もある。70歳の人に比べて2倍以上の期間があるわけだから、放射線が原因で肉腫や発がんする可能性も当然上がってくる。
なるほどねー。。。
陽子線により考えられる副作用(治療中に出てくるもの)としては、中耳炎と口が開きにくくなる症状。味覚低下はあまり出ないのではないか、とのことでした。が、それよりも後々でてくるかもしれない肉腫や発がんのリスクをあえて取るのはどうか、ということを気にされていました。
最後におっしゃった印象的だった先生のお言葉がこちら。
「私なら、このまま様子見することをおすすめします」
なんと!
思いつかなかった選択肢の③!!
いや①も正直思いつかなかったけども。
陽子線どころか放射線治療自体、いや追加治療自体せんでえーんちゃう?という驚愕のご意見!!
いや、放射線治療したくないなーとは思っていたけれど、、、
このままとりあえずほっといたら?って言われるとは思っていなかったので、目からうろこでした。お医者さんや病院によって本当に違うんですね、方針って。
ちなみに、セカンドオピニオンをお願いした時は知らなかったのですが、
このH先生、この分野の学会の理事長をされていることを後に知りました。
ということは、経験豊かで、専門分野でよく知られた先生ということかな?と思います。
何度もお礼を言って、お会計をして、この日は終了。
これで1万円でした。
安くはないけれど、「ほっとく」という選択肢は大きな収穫でした。
あと陽子線をしようと思えばできる、健康保険もきく、という点も。
でもここから
じゃあどうする?!
という、さらなる迷い・悩みの段階へ突入します。

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夫はどうしても休みが取れないというので、父親と妹に同行してもらいました。話せる時間は限られており、自分が思いつく以外の質問もできたらいいなと考えていたので、複数人でお話を伺いたかったのです。
料金は30分約1万円。30分を超えると30分ごとにさらに1万円足され、健康保険適用外です。

早めにF病院に到着し、ドキドキしながら3人で呼ばれるのを待ちました。
呼ばれて通されたのは、診察室ではなく病院の小さな会議室のようなお部屋でした。
相談内容は事前に用紙に書いて渡していたのですが、大まかにこんな感じ。
・手術で摘出した癌が摘出部分の端にありかつリンパ2カ所に転移が見られたことから放射線追加治療を勧められているが、X線照射によるQOL(Quality Of Life、生活の質)低下がとても心配
・代わりに陽子線治療は有用か?適用するか?
・その場合の副作用や後遺症はどのようなものが考えられるか?中耳炎?味覚低下?口が開きにくくなる?
・また陽子線治療をするとなると耳下腺周辺とリンパ節あたりにも当てないといけないと思うが、計算上は1か所になるのか2カ所になるのか?300万円ほどで済むのか、2カ所となり600万円ほどになるのか?
話をしてくださったH先生は、グレーヘアの優しそうな紳士という感じの先生でした。
この先生から開口一番出た言葉がこれでした。
「まず陽子線の効果ですが、X線と同等と考えてもらって構いません。ただし。
放射線治療自体、今回のniyonさんのがんに対して有効かどうかは不明です」
え!?
有効かどうか不明!?
驚きのセカンドオピニオンの幕開けでした。
てっきり放射線治療自体はすすめられるものだと思っていたので...。
先生の話は以下の通りでした。
・低悪性粘表皮癌ということと年齢(まだ若い)を考えると、このまま様子を見るのも手
・放射線治療をすると後々の副作用・後遺症が出る可能性、肉腫や新たながんの発生などのリスクもある
・低悪性なので、すぐにどうこう(再発)ということはないと考えられる
・ただし再発した時は再手術となり、次は耳下腺全摘出となり(niyonは今回全摘ではない)、顔面神経も取ることになる
・今回の転移は耳下腺内のリンパ節のみなので、遠いところに転移する可能性は低い、ただ肺などは血液経由で転移するのでわからない
・もし陽子線を受ける場合は、唾液腺がんは保険が適用できる、耳下腺とリンパ一緒にあてていくので1カ所計算
・選択肢は以下3つ
①残っているかもしれないがん細胞を再手術して徹底的に取り除き、根治を目指す
②放射線治療をする、ただし効果があるかどうかはわかっていない
③このまま何もせず、一旦様子を見る
・まとめ
カンファレンスで他の医師とも話し合ったが、低悪性粘表皮癌で術後に放射線照射をするのはまれ。通常は手術で腫瘍がコロンときれいに取れる。神経浸潤しないことがほとんど。
ただ今回は神経にもまとわりついていて取りきれたとははっきり言えないので、主治医も追加治療を勧めているのではないかと思う。確かに癌に対して、そうするのは基本の方針。
手術を執刀されたa先生はきっちり手術も処理される方なので(手術してくれた先生をよくご存じの様子!)ちゃんと腫瘍を取られたとは思う。私は実際に手術をしたわけではないので感覚的なことはわからない。手術の時に感じた感覚的なものにより放射線をすすめられているのかも。
もちろん希望であればうち(F病院)で陽子線治療は可能。その際は放射線科へ話を通しますよ。
ただ正直、、、あなたの年齢と放射線の後に出てくる副作用を考えると...陽子線であっても放射線するのが良いかどうかは難しいところ、と言われました。
この意味がよくわからず尋ねると、こんな回答でした。
例えば人生90年として、70歳の人が放射線治療をやったとしても残り20年の間に放射線が原因で肉腫や別の場所に新しいがんができる可能性は低い。でも例えば40歳の人が放射線治療をやって、そのあとの人生は50年もある。70歳の人に比べて2倍以上の期間があるわけだから、放射線が原因で肉腫や発がんする可能性も当然上がってくる。
なるほどねー。。。
陽子線により考えられる副作用(治療中に出てくるもの)としては、中耳炎と口が開きにくくなる症状。味覚低下はあまり出ないのではないか、とのことでした。が、それよりも後々でてくるかもしれない肉腫や発がんのリスクをあえて取るのはどうか、ということを気にされていました。
最後におっしゃった印象的だった先生のお言葉がこちら。
「私なら、このまま様子見することをおすすめします」
なんと!
思いつかなかった選択肢の③!!
いや①も正直思いつかなかったけども。
陽子線どころか放射線治療自体、いや追加治療自体せんでえーんちゃう?という驚愕のご意見!!
いや、放射線治療したくないなーとは思っていたけれど、、、
このままとりあえずほっといたら?って言われるとは思っていなかったので、目からうろこでした。お医者さんや病院によって本当に違うんですね、方針って。
ちなみに、セカンドオピニオンをお願いした時は知らなかったのですが、
このH先生、この分野の学会の理事長をされていることを後に知りました。
ということは、経験豊かで、専門分野でよく知られた先生ということかな?と思います。
何度もお礼を言って、お会計をして、この日は終了。
これで1万円でした。
安くはないけれど、「ほっとく」という選択肢は大きな収穫でした。
あと陽子線をしようと思えばできる、健康保険もきく、という点も。
でもここから
じゃあどうする?!
という、さらなる迷い・悩みの段階へ突入します。



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